『バキ』
「シンクロニシティ________________________」
「その日を境に世界中のグリセリンが次々と結晶化を開始めたというのじゃが... ...」
アニメ版のバキ「最凶死刑囚」と「大擂台賽編」を観ました。
バキと言えばシリーズが進むごとにワクワク感が減っていくと言われる事が多いですが、死刑囚編冒頭のワクワク感は作中随一だと個人的には思います。
アニメ的な演出を言えば特にスペック登場時の危険度マックスなBGMが良かった。
スペックは危険度が高くて良いんですよね。ガラの悪いおっさんしか出てこないバキワールドの中でも話の通じなさそう感が特に高い。スペックが銃口を自分の頬に向けて乱発した時のイカれてる感。
そんな奴が花山という古参キャラに卑怯な手を使っても太刀打ちできないというのもカタルシスを感じる。彼は敗北を知れたのでしょうか。
「まだやるかい?」
とはいえ僕は一番、ドイルが好きです。
街で偶然に出会ってしまった烈とドイル。バーで仲良くゆっくりした後、ボッコボコに殴り合った烈海王とドイルが、それでも互いに強気者として認め合っているという描写が丁寧に描かれる。
その後、気絶した烈を負けてぼろぼろのはずのドイルが1日中守り続けた事をききっかけに、二人に謎の友情が芽生えるシーンにこそバキ特有のシリアスとシュールさのバランスの神髄が詰まっていると思うからだ。
ちなみに全然書く必要ないけど、嫌いなシーンは渋川のジジイが
「………バキさんよ……アンタ負けたぞい」
とか言って、共同戦線張ってた刃牙に責任を全て擦り付けるところです。(渋川がダサい珍しいシーン)
読んだ本あれこれ
先月は結構本を読んだと思います。電車の中では常に本を読んでいたし、家に帰ってからも週2ぐらいで本を読んでいました。中でも『ゴーストの条件』がかなり骨太でしたね。
『ゴーストの条件』好きなんです。この本に登場するゴーストとはつまりキャラクターの事なのですが、自分なりの解釈ではキャラクターをキャラクターたらしめるもの。という言い方が一番近い意味なような気がします。それでも全然不完全ですが。
ミッキー、初音ミク、キリスト、天皇まで、私たちが人ではなく何か信仰を持ってそれに接する時に生まれる何か、ゴーストとは何を意味するのか。
著者が哲学的な側面から難しい言葉を使って説明するので理解するのが非常に困難な本です。でも、この本に関してはその簡単には伝わらない複雑な文脈こそが魅力なわけですが。
学生時代にも読んだことあって今回二度目の読了となるんですけど、正直3割ぐらいしか理解できていません。おらぁ馬鹿だからよ。
まぁいつかこの本をもっと自分なりの考え方に落とし込めるようになるまで人生のうちに何度も繰り返し読もうと思っている本のうちの一冊ですね。
『殺人出産』に関しては、村田沙耶香の短編集って感じです。
中でも殺人出産に出てくる「産刑」(法律を犯した人間を無理やり出産させる刑)という言葉が出てきたのが衝撃でしたね。
たしかに倫理を全部無視したら少子化を食い止める手段として合理的と言えますが、主題の殺人出産制度より個人的に印象が残っています。世の中のモラル意識に究極自覚的になった人間にしかできない発想だよこれは。怖い。でもおもしろい。
高尾山
山は良い。最初に山作ったやつ、キャンプとか好きだったんかな。
それにしても景色が”山”すぎてウケるな。
久しぶりに中学校の頃の友達と山登りの約束をしました。
新宿駅で待ち合わせしたのですが、新宿駅には細長すぎるコンビニがあって良かった。テトリスの━みたいな形で隙間がなく、ドリンクを取る為にも人とすれ違わなければいけない。場所の活用法が気持ちいいほどにパワー。
それはそれとして、友達がやってきました。学生時代は平均的なBMIをしていた彼は、太陽スフィンクスのラインみたいなラガーマン体系に変わっていました。人間は変わっていく。時の流れは無情やで。
「俺が金属バットで殴ってもダメージ無さそうだな」と言ってみましたが、さすがにダメージはうけるようです。そうは見えませんが。山登りでカロリーを少しでも使う事を約束し、いざ京王線から高尾に向かう。
GANTZの敵星人もいました。上手く人間社会に偽装しています。
僕は普段虚飾と欺瞞に塗れたSNSという名の牢獄に閉じ込められた生活をしている為、飾り立ての質素な美しい森を見ると心が浄化されますね。
たまにはインターネットを飛び出して仲の良い友達と、『ワールドトリガー』好きな隊自慢し合いをしながら山に登ってみよう。